こんにちは。職人の西治です。
今週、7月29日(土)10:00~18:00は、
“リアルオーダーシュミレーション”を開催いたします。
気になるお色の革に、ヘリ、糸を選んでいただき、工房でミシンをかけ、お渡しします。
ランドセル選びの参考にしていただければ幸いです。
予約は不要ですので、ぜひお立ち寄り下さい。
また、ワークショップの開催も予定しております。
詳しくはHP、イベント欄でご確認下さい。
https://www.randsel.jp/topics/workshop201702/
たくさんのご参加、お待ちしております。
そして、今回観て来た映画は『メアリと魔女の花』です。
一見して、ジブリ作品と勘違いしてしまいそうな本作。
それもそのはず、本作を制作したアニメーション会社、
スタジオポノックは、
スタジオジブリを退社したプロデューサー西村義明さんが創立しましたし、
本作の監督はスタジオジブリを退社した米林宏昌さん。
また、本作のスタッフの約8割はジブリ作品に関わった人たちで構成されています。
ジブリっぽさが見え隠れするのも納得です。
本作の魅力ですが、
やはりスタジオジブリに由来する
アニメーション表現の豊かさでしょう。
天空に浮かぶ魔法学校。
多種多様な魔法表現。
生命力に溢れる草木。
どれも、目を見張る美しさです。
そして、逆に残念だな、と思うこともいくつかあって、
例えば、キャラクターの無駄な説明台詞が多い点や、
表現力はあるけど、その画に対する説得力が足りない点、
などがあります。
キャラクターに無駄な説明台詞が多いと、
こちらはキャラクターではなく、
その背後にいる作り手の方に意識を向けざるをえませんし、
何より、キャラクターに感情移入がし辛くなります。
そして、いくらスタジオジブリ仕込みの映像が素晴らしくとも、
それを無理に使用し、
その世界観、話の流れに綻びをもたらすならば、
無理に描かない方がマシなのです。
と、散々に書きましたが、
私はもうスタジオポノックの次回作が楽しみでたまりません。
というのも、本作を以って、スタジオポノックは真の意味で、
スタジオジブリを踏襲した作品作りを卒業すると思われるからです。
それはスタジオポノックという、
午前0時、新しい日、を意味するクロアチア語が示していますし、
本作の物語にて、
大きな力を捨てたメアリ自身が、
ジブリという大きな力を捨てたスタジオポノックの
メタファーとして描かれている点からも明らかです。
そう考えれば、本作は、
今までお世話になったスタジオジブリ的な表現を
無理やり詰め込んだ決別のための作品に思え、
先ほどの残念な点も逆に評価できるような気がします。
とはいえ、全ては次回作を観てから、の判断になるのですが。
ともあれ、スタジオジブリという大きな力を自ら捨て去る覚悟を
示したであろう本作。
おすすめです。