こんにちは。職人の西治です。
もう10月になってしまい、今年も残すところ、あと3ヶ月です。
気候もどんどん涼しい、から、肌寒い、になってきました。
衣替えもしていかなくちゃいけませんね。
さて、今回観てきた映画は
『新感染 ファイナル・エクスプレス』です。
原題の直訳は『釜山行き』というところでしょうか。
監督はアニメーション監督のヨン・サンホ。
話としては、走行中の高速鉄道の車内を主な舞台として、
ゾンビのパンデミックによる恐怖、
そして、それに巻き込まれた人々の人間模様を描きます。
ゾンビという、人間の形をした、もう人間で無いものを扱った作品は、
今まで、エンタメという枠を飛び越え、
社会の寓意、風刺などさまざまなものを含み、世に放たれてきました。
例えば、ゾンビ映画の父とされるジョージ・A・ロメロが
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(68年)にて、
黒人を主人公に起用し、差別社会を批判したのは有名な話です。
本作でもゾンビ、そして巻き込まれた人間の人間関係を用いて、
行き過ぎた資本主義に対して痛烈な批判を行っています。
本当に大切なものとは?
それが主人公のラスト、悪人との結末の差に直結するのですが、
そのシーンのなんと美しいことか。
人間への希望、まさに光を感じる最高のシーンです。
主人公と悪人との差が何であったのか、そして主人公のラストとは?
是非とも劇場でご覧いただきたいです!
また、本作はエンタメとしても完成されていて、
個性的なキャラクター(ゾンビも含む)、
立ちはだかる困難のバラエティーの豊かさ、
列車という限定空間を活かしきった話運び、
製作者の方々の、
観客を楽しませようという意気込みがヒシヒシと感じられます。
間違いなく、傑作です!
映画館で!ご覧下さい!!
余談ですが、韓国の歴史のことを少しでも知っていれば、
本作の原題に含まれる釜山という地が持つ意味についても溜飲がさがります。
それにしても、今年公開された『お嬢さん』、『哭声 コクソン』といい、
とんでもない作品を続出させる韓国映画界、
もはや、世界トップレベルなんじゃないでしょうか?