こんにちは。作り手の西治です。

 

もうそろそろホワイトデーということで、

工房前の黒板を描き換えました。

 

 

そして、授賞式はご覧になられたでしょうか?

祝!ギレルモ・デル・トロ監督のモンスター作品『シェイプ・オブ・ウォーター』

アカデミー賞・各賞受賞!!

おめでとうございますということで!

今回、ご紹介する映画は

『シェイプ・オブ・ウォーター』です。

 

『パンズ・ラビリンス』や『パシフィック・リム』の

ギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を手がけ、

2017年・第74回ベネチア国際映画祭の金獅子賞、

さらに前述したように第90回アカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞したラブストーリーです。

 

舞台は1962年の冷戦下のアメリカ。

政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザと、

研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物《彼》との

交流を描きます。

 

ストーリーを1962年という、過去の話にすることで寓話的な側面を持たせ、

しかし、今と地続きであるからこそのリアリティ。

さらに、現在の排他的な風潮とシンクロする部分のある、

この時代設定だけで、作品のテーマ性に、より深みを持たせているのは、

さすがとしか言い様がありません。

 

また、綿密に計算された舞台セットの小道具や色使い。

水の中を髣髴とさせる主人公の部屋に、

命の色として扱われる赤色、

未来の色と作中で表現されるグリーン。

それらが、ストーリーの流れの中でどのような場面で登場しているのか。

ぜひとも劇場で確認してみてください。

私は脱帽しました。

 

そして、

神々しくもあり、強靭さも感じられながら、繊細さも併せ持つ、《彼》のデザイン。

その《彼》に命を吹き込むダグ・ジョーンズの名演技。

見事です。

 

『何かを「正しい」としたら、残りすべてが間違いになってしまう。

何かを「美しい」と決めたら、残りが醜いものになってしまう。

人間でも、モンスターでも「そのもの」として存在を認めるべきだ』

 

以上の言葉は本作のパンフレットに記載されていたデル・トロ監督の言葉ですが、

なんと優しいまなざしを持った言葉でしょう。

まさに、多様性を許容すべき、今に向けられた言葉です。

 

今年の一本どころか、生涯ベスト級の一本です。

文句なしでおすすめです。