こんにちは。作り手の西治です。
先週末は兵庫県の夙川に行ってきました。
桜は、まだ三分咲くらいでしたが、とってもきれいでした。
そして、今回観てきた映画は、
『ゆれる人魚』です。
舞台は共産主義下のポーランド。
肉食の人魚姉妹の少女から大人への成長を描くホラー・ファンタジーです。
監督は本作が長編デビュー作となる女性監督アグニュシュカ・スモチンスカ。
アンデルセンの『人魚姫』がモチーフとなっていますが、
人魚姉妹のヴィジュアルはギリシャ神話のセイレーンをモチーフとしているみたいです。
このセイレーンとは歌声で人を惑わし、食らう怪物。
なるほど、人魚姉妹の美しい上半身とは対照的な巨大で、生々しく、グロテスクな、
下半身を見れば納得です。
途中で、ストーリーはやや失速しますが、
それでも画の力は常にパワフル、かつ、独創的で、幻想的で、狂気的。
そして、ロマンチックでさえあります。
特にラストの陽の当たる船の上で彼に抱きしめられ、
そっと目を閉じる彼女の姿、それ自体が絵画のよう。
少々、変わった映画ですが、おすすめです。